ガチンコ勝負 Amazonマイクロインスタンス vs さくらのVPS 512 - どちらを選ぶべきか

  • 2011年6月30日 10:00
  • @sunomaru
  • Linux
  • Amazon AWS, さくらのVPS 512, VPS

AV女優.com を始めるときに悩んだのは、サーバです。
見ての通り、 AV女優.com はアダルトサイトです。
そのため、載せることの出来るサーバは限られます。

さらに、扱うデータ量も 10万レコード と、それなりに多く、さらに今後増えていきます。

そうなってくると、レンタルサーバではことが足りません。
しかし、安く済ませたい。

そこで、お決まりの格安VPSに載せることにしました。
サーバを決める際に、私、すのまるが調査した さくらサーバ VPSAmazonマイクロインスタンス についてのまとめです。

今回はAmazonマイクロインスタンスと一番スペックの近い さくらのVPS 512 を取り上げます。

価格勝負

/img/posts/006/price.png

まずは、価格です。
ご存知の通り、さくらサーバVPSは定額制、Amazonマイクロインスタンスは従量課金制です。

さくらのVPS 512のプランは、 月980円 、初期費用0円です。

VPS(仮想専用サーバ)のさくらインターネット
ページ中央に料金表がある。さくらのVPS 512以外にも魅力的なプランが。

Amazonマイクロインスタンスは一緒に計算しましょう。
インスタンスは 24時間立ち上げ 、ストレージ容量は 20GB 、リージョンは 東京 とします。
マイクロインスタンスなので、ストレージをEBSに用意する必要があります。
マイクロインスタンスとEBSの価格表は、以下から知ることが出来ます。

Amazon EC2 Pricing
ページ中央の オンデマンド インスタンス からRegionを アジアパシフィック - 東京 に変更すると確認出来る。
Amazon Elastic Block Storage (EBS)
ページ下部の 利用のコスト に価格がある。

マイクロインスタンスは、1時間あたり 0.027ドル です。

EBSには、2種類の課金対象があります。
一つはストレージ容量に応じた課金、もう一つはRead/Write IOに応じた課金です。

ストレージ課金は、1GBあたり0.1ドル、 Read/Write IOは100万回毎に0.1ドルです。
Read/Write IOが予測しにくいため、暫定で計算します。
小規模なら、 1ドル 程度でしょう。
実際に、 AV女優.com も先月は1,275万回で1.53ドルでした。

計算します:

(0.027[ドル] x 24[時間] x 30[日]) + (0.1[ドル] x 20[GB] + 1.0[ドル]) = 22.44[ドル]

現在、為替レートは80円なので:

22.44[ドル] x 80[円] = 1,795[円]

円高さまさまです。

しかし、実はもう少し掛かります。
Amazonには 転送量による課金 があるのです。
転送量による課金は、1GBあたり0.2ドルです。
AV女優.com では毎日1GB、月間で30GBのコンテンツが転送されます。
つまり:

0.1[ドル] x 60GB = 6[ドル]
6[ドル] x 80[円] = 400[円]

合計で:

1,795[円] + 400[円] = 2,195[円]

となります。

料金では圧倒的に、さくらのVPS 512ですね。

勝者: さくらのVPS 512

性能勝負

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続いて気になる 性能勝負 です。
まずは基本性能を一覧します。

さくらのVPS 512
CPU: 仮想2Core
メモリ: 512MB
OS: CentOS / Ubuntu / FreeBSD / Debian / Fedora
Amazonマイクロインスタンス
CPU: 最大2ECU (周期的な短期ブースト)
メモリ: 613MB
OS: Windows Server / Ubuntu / CentOS / Fedora / Redhat ...etc

この基本性能を見る限り、両者に差はないように思います。

唯一異なるのは、 OS です。
Amazonでは、基本のLinuxディストリビューションに加えて、 Windows Server も使えます。
ただ、小規模ウェブサービスを提供する上で、Windows Serverを使うことがないので、大したアドバンテージではありません。

ここに個人的な感想と、他の方が実施してくださったベンチマークの情報を加えます。

Amazon EC2のマイクロインスタンスのCPU容量バーストは瞬間的に速いだけ
CPUのバーストに関するベンチマークです。
ここの記事に書かれていることは、個人的に体感しています。
運営当初、バッチ処理をAmazonマイクロインスタンスで動かしていました。
しかし、すぐに CPU使用率100% に張り付いてしまい、使い物になりませんでした。
AWS, さくらVPS, hetemlでベンチマークしてみた
Amazon AWSとさくらのVPS 512のベンチマークです。
PHPSpeed で計測しているので、ウェブサービスを作る方の参考になります。
Amazonスモールインスタンス(マイクロインスタンスの上位)と比べて、良い性能をたたき出しているのがわかります。

小規模のウェブサービスだが、ちょっとした バッチ処理 も走らせたい、といった要望に答えてくれるのは、さくらVPS 512です。
Amazonマイクロインスタンスは、ウェブサーバとしての利用に限った方が良いでしょう。

ここでも、さくらVPS 512に軍配を上げさせてもらいます。

勝者: さくらVPS 512

拡張性勝負

/img/posts/006/extension.png

次は 拡張性 の勝負です。
ここでは、ウェブサービスの負荷が増えた際の 拡張の容易さ を比較します。
これはサービス全体として確認する必要があるため、さくらのVPSとAmazon AWSを比較対象とします。

さくらのVPSで提供しているのは、以下の機能です。

VPSの上位プラン
  • 仮想2Core/メモリ1GB
  • 仮想2Core/メモリ1.5GB
  • 仮想4Core/メモリ4GB
  • 仮想4Core/メモリ8GB

の4つの上位プランが用意されています。
しかし、 スケールアップ することは出来ません。
サーバを拡張したい場合、アプリケーションのインストール等を全て始めからやる必要があります。

Amazon AWSで提供しているのは、以下の機能です。

インスタンスのコピー
作成したインスタンスは、AMIと呼ばれるイメージに落とすことで、 保存/コピー することが出来ます。
サーバを複数台作る際に手間がかかりません。
Cloud Watch / Auto Scaling / Amazon Elastic Balancing
リソースを監視し、負荷に応じて、自動でインスタンスを 増減 出来ます。
Amazon RDS
高速な リレーショナルデータベース を従量課金で利用出来ます。
Amazon CloudFront
Amazon S3と呼ばれるストレージサービスと連携して、 高速なCDN を利用出来ます。
S3へのデータアップロードも、AWS Management Consoleか、APIを叩くことで、簡単に実行出来ます。

拡張性に関する機能であれば、こんなところです。

そもそも、Amazon AWSとさくらのVPSは考え方が異なるので、比較するのがおかしいのかもしれません。
しかし、あえて優劣を付けるのであれば、明らかにAmazon AWSに軍配が上がります。

勝者: Amazon AWS

操作性勝負

/img/posts/006/usability.png

日々の オペレーションの容易さ の比較です。

サーバ管理者は、基本的に CUI とお友達です。
しかし、時にはGUIと付き合わなければなりません。
そのときに、管理しやすいWebアプリケーションがあると、便利です。

まずは、さくらのVPSの管理画面です。

/img/posts/006/sakura_management_console.png

個人的に、とても シンプル で気にいっています。
この画面で出来ることは、

  • サーバの起動/停止/再起動
  • VNCからのコンソール操作
  • ドメインの逆引き設定
  • リソースの確認

程度です。
しかし、サーバ単体で使うことを想定されたVPSには、とても フィットした管理画面 です。

続いて、Amazon AWSの管理画面です。

/img/posts/006/amazon_management_console.png

こちらも使いやすい管理画面です。
慣れるまで少し掛かりますが、しっかりとした ウェブアプリケーション に仕上がっています。
ここでは、Amazon AWSに関することが、ほぼ全て実行出来ます。

  • インスタンスの作成
  • インスタンスの削除
  • スナップショットの作成
  • ボリュームの作成
  • IPアドレスの割当て
  • Amazon S3へのファイルアップロード

それぞれ、目的にあった良い管理画面に仕上がっています。
操作性という点で、さくらVPSとAmazon AWSは引き分けでしょう。

引き分け: さくらのVPS 512 / Amazon AWS

総評

小規模に、安くサービスを立ち上げるという目的であれば、 さくらのVPS に軍配があがります。
そして、多くの人が立ち上げるサービスは、まずそこからスタートです。
サービスの立ち上げの段階で、高価なサーバは要りません。
そのサービスが当たるかどうか、わかりませんからね。
つまり、これから個人でサービスを始める多くの人に、さくらのVPS 512はお勧め出来ます。

逆に、確実に流入が見込めるのであれば、 Amazon AWS で間違いありません。
理由は、拡張性勝負で上げた多くの機能です。
あれらの機能を活用出来れば、費用を安く済ませることが出来ます。

という訳で、 AV女優.com ではさくらのVPS 512にしよう、と考えました。
が、最後に罠が待ち受けていました。

最後に大事なこと

さくらサーバは、 アダルト禁止 です。
VPSなので問題ないと考えていたのですが、見事に規約に書かれていました。

基本約款
第15条(禁止事項)
v. わいせつ、児童ポルノまたは児童虐待に当たる画像、文書等を送信または掲載する行為

こっそりと、運営したくもなったのですが、他のサービスでお世話になっていることもあり、止めました。
現在、 AV女優.comAmazonマイクロインスタンススモールインスタンス で動いています。

他にアダルト可の良いサーバがあれば、コメント欄までお願いします。

ちょっと一言

sunomaru

@sunomaru

最近、JavaScriptとPythonにどっぷりです。さっきもJavaScriptとPythonのファイルを両方開いて、書いていたのですが、どちらを書いているかわからなくなり困惑。けど楽しい。