AV女優.com を始めるときに悩んだのは、サーバです。
見ての通り、 AV女優.com はアダルトサイトです。
そのため、載せることの出来るサーバは限られます。
さらに、扱うデータ量も 10万レコード と、それなりに多く、さらに今後増えていきます。
そうなってくると、レンタルサーバではことが足りません。
しかし、安く済ませたい。
そこで、お決まりの格安VPSに載せることにしました。
サーバを決める際に、私、すのまるが調査した さくらサーバ VPS と Amazonマイクロインスタンス についてのまとめです。
今回はAmazonマイクロインスタンスと一番スペックの近い さくらのVPS 512 を取り上げます。
価格勝負

まずは、価格です。
ご存知の通り、さくらサーバVPSは定額制、Amazonマイクロインスタンスは従量課金制です。
さくらのVPS 512のプランは、 月980円 、初期費用0円です。
- VPS(仮想専用サーバ)のさくらインターネット
- ページ中央に料金表がある。さくらのVPS 512以外にも魅力的なプランが。
Amazonマイクロインスタンスは一緒に計算しましょう。
インスタンスは 24時間立ち上げ 、ストレージ容量は 20GB 、リージョンは 東京 とします。
マイクロインスタンスなので、ストレージをEBSに用意する必要があります。
マイクロインスタンスとEBSの価格表は、以下から知ることが出来ます。
- Amazon EC2 Pricing
- ページ中央の オンデマンド インスタンス からRegionを アジアパシフィック - 東京 に変更すると確認出来る。
- Amazon Elastic Block Storage (EBS)
- ページ下部の 利用のコスト に価格がある。
マイクロインスタンスは、1時間あたり 0.027ドル です。
EBSには、2種類の課金対象があります。
一つはストレージ容量に応じた課金、もう一つはRead/Write IOに応じた課金です。
ストレージ課金は、1GBあたり0.1ドル、 Read/Write IOは100万回毎に0.1ドルです。
Read/Write IOが予測しにくいため、暫定で計算します。
小規模なら、 1ドル 程度でしょう。
実際に、 AV女優.com も先月は1,275万回で1.53ドルでした。
計算します:
(0.027[ドル] x 24[時間] x 30[日]) + (0.1[ドル] x 20[GB] + 1.0[ドル]) = 22.44[ドル]
現在、為替レートは80円なので:
22.44[ドル] x 80[円] = 1,795[円]
円高さまさまです。
しかし、実はもう少し掛かります。
Amazonには 転送量による課金 があるのです。
転送量による課金は、1GBあたり0.2ドルです。
AV女優.com では毎日1GB、月間で30GBのコンテンツが転送されます。
つまり:
0.1[ドル] x 60GB = 6[ドル] 6[ドル] x 80[円] = 400[円]
合計で:
1,795[円] + 400[円] = 2,195[円]
となります。
料金では圧倒的に、さくらのVPS 512ですね。
勝者: さくらのVPS 512
性能勝負

続いて気になる 性能勝負 です。
まずは基本性能を一覧します。
- さくらのVPS 512
- CPU: 仮想2Core
メモリ: 512MB
OS: CentOS / Ubuntu / FreeBSD / Debian / Fedora - Amazonマイクロインスタンス
- CPU: 最大2ECU (周期的な短期ブースト)
メモリ: 613MB
OS: Windows Server / Ubuntu / CentOS / Fedora / Redhat ...etc
この基本性能を見る限り、両者に差はないように思います。
唯一異なるのは、 OS です。
Amazonでは、基本のLinuxディストリビューションに加えて、 Windows Server も使えます。
ただ、小規模ウェブサービスを提供する上で、Windows Serverを使うことがないので、大したアドバンテージではありません。
ここに個人的な感想と、他の方が実施してくださったベンチマークの情報を加えます。
- Amazon EC2のマイクロインスタンスのCPU容量バーストは瞬間的に速いだけ
- CPUのバーストに関するベンチマークです。
ここの記事に書かれていることは、個人的に体感しています。
運営当初、バッチ処理をAmazonマイクロインスタンスで動かしていました。
しかし、すぐに CPU使用率 が 100% に張り付いてしまい、使い物になりませんでした。 - AWS, さくらVPS, hetemlでベンチマークしてみた
- Amazon AWSとさくらのVPS 512のベンチマークです。
PHPSpeed で計測しているので、ウェブサービスを作る方の参考になります。
Amazonスモールインスタンス(マイクロインスタンスの上位)と比べて、良い性能をたたき出しているのがわかります。
小規模のウェブサービスだが、ちょっとした バッチ処理 も走らせたい、といった要望に答えてくれるのは、さくらVPS 512です。
Amazonマイクロインスタンスは、ウェブサーバとしての利用に限った方が良いでしょう。
ここでも、さくらVPS 512に軍配を上げさせてもらいます。
勝者: さくらVPS 512
拡張性勝負

次は 拡張性 の勝負です。
ここでは、ウェブサービスの負荷が増えた際の 拡張の容易さ を比較します。
これはサービス全体として確認する必要があるため、さくらのVPSとAmazon AWSを比較対象とします。
さくらのVPSで提供しているのは、以下の機能です。
- VPSの上位プラン
-
- 仮想2Core/メモリ1GB
- 仮想2Core/メモリ1.5GB
- 仮想4Core/メモリ4GB
- 仮想4Core/メモリ8GB
の4つの上位プランが用意されています。
しかし、 スケールアップ することは出来ません。
サーバを拡張したい場合、アプリケーションのインストール等を全て始めからやる必要があります。
Amazon AWSで提供しているのは、以下の機能です。
- インスタンスのコピー
- 作成したインスタンスは、AMIと呼ばれるイメージに落とすことで、 保存/コピー することが出来ます。
サーバを複数台作る際に手間がかかりません。 - Cloud Watch / Auto Scaling / Amazon Elastic Balancing
- リソースを監視し、負荷に応じて、自動でインスタンスを 増減 出来ます。
- Amazon RDS
- 高速な リレーショナルデータベース を従量課金で利用出来ます。
- Amazon CloudFront
- Amazon S3と呼ばれるストレージサービスと連携して、 高速なCDN を利用出来ます。
S3へのデータアップロードも、AWS Management Consoleか、APIを叩くことで、簡単に実行出来ます。
拡張性に関する機能であれば、こんなところです。
そもそも、Amazon AWSとさくらのVPSは考え方が異なるので、比較するのがおかしいのかもしれません。
しかし、あえて優劣を付けるのであれば、明らかにAmazon AWSに軍配が上がります。
勝者: Amazon AWS
操作性勝負

日々の オペレーションの容易さ の比較です。
サーバ管理者は、基本的に CUI とお友達です。
しかし、時にはGUIと付き合わなければなりません。
そのときに、管理しやすいWebアプリケーションがあると、便利です。
まずは、さくらのVPSの管理画面です。

個人的に、とても シンプル で気にいっています。
この画面で出来ることは、
- サーバの起動/停止/再起動
- VNCからのコンソール操作
- ドメインの逆引き設定
- リソースの確認
程度です。
しかし、サーバ単体で使うことを想定されたVPSには、とても フィットした管理画面 です。
続いて、Amazon AWSの管理画面です。

こちらも使いやすい管理画面です。
慣れるまで少し掛かりますが、しっかりとした ウェブアプリケーション に仕上がっています。
ここでは、Amazon AWSに関することが、ほぼ全て実行出来ます。
- インスタンスの作成
- インスタンスの削除
- スナップショットの作成
- ボリュームの作成
- IPアドレスの割当て
- Amazon S3へのファイルアップロード
それぞれ、目的にあった良い管理画面に仕上がっています。
操作性という点で、さくらVPSとAmazon AWSは引き分けでしょう。
引き分け: さくらのVPS 512 / Amazon AWS
総評
小規模に、安くサービスを立ち上げるという目的であれば、 さくらのVPS に軍配があがります。
そして、多くの人が立ち上げるサービスは、まずそこからスタートです。
サービスの立ち上げの段階で、高価なサーバは要りません。
そのサービスが当たるかどうか、わかりませんからね。
つまり、これから個人でサービスを始める多くの人に、さくらのVPS 512はお勧め出来ます。
逆に、確実に流入が見込めるのであれば、 Amazon AWS で間違いありません。
理由は、拡張性勝負で上げた多くの機能です。
あれらの機能を活用出来れば、費用を安く済ませることが出来ます。
という訳で、 AV女優.com ではさくらのVPS 512にしよう、と考えました。
が、最後に罠が待ち受けていました。

